サボテン公園南側の地すべり

 2005年10月

 我々の今後の姿勢なるもの


 サボテン公園南側に大きな地すべりが発生したのは昨年の10月23日です。
この地域は宮崎層群と呼ばれる砂岩泥岩互層でできているので、以前から数年間隔で崩壊が起こり、
その度に国道220号線が不通となっていました。

 今回、地すべりが発生した場所は旧国道沿いで、現在は日南市の市道となっている所です。
この地すべりの特殊性は、今までに日南海岸で発生した地すべりと全く異なるということです。
日南海岸の220号線に発生する斜面災害は二つのタイプがあって、
ーつは岩盤すべりで、もう一つは崖錐性堆積物の崩壊でした。

ところが、今回発生したものは、岩盤すべりのように、滑った後に岩盤が露出していないし、
また,崖錐が崩れたものでもありません。
もう一つは、上部に三角形の陥没地ができていることです。
これは地形から見て、開口部とも言えるし、地溝のような形とも言えます。
おそらくこの陥没地の形成原因が地すべりの原因と思われます。

さらに、地層の走向傾斜から見ると、傾斜とは反対方向に動いていることも、
発生原因の特定をむづかしいものにしています。

 この地すべりの重要な点は、日南海岸には今回の地すべり発生箇所と似たような地形があるため、
同じような災害発生の可能性がある点です。

 もう一つは地すべりによって露出した泥岩の壁が、激しく風化していることです。
泥岩の風化は、スレーキング(乾湿風化)としてよく知られていますが、
ここでは高さが40mを越えるような岩壁が、数日間隔で崩れ落ち、
これにより,支えを失った上部の砂岩が数mから十数mの岩塊となって落下しています。
この泥岩のスレーキングと砂岩の落下は、安定した斜面勾配となるまで続くと思われますが、
それがいつになるのかは今のところ解りません。

 現在、現地でのスレーキングの進行や、崖錐堆積物の粒度、風化泥岩の分析を行い,
地すべり発生原因を追いかけています。
 このHPには,ここで見た珍しい現象や、今までに見たこともないないようなデータを
アップしてゆくので、乞御期待。



2.その後の状況写真

  2.4.第12報(27年4月1日):その後

  2.3.第11報(24年5月12日):その後

  2.2.第10報(22年1月13日):その後

  2.1.第9報(19年5月14日):崖錐の変遷

1.被災状況写真

  1.8.第8報(17年 9月 8日):台風14号後の状況

  1.7.第7報(17年 7月24日):岩塊の風化進行状況及び崖錐堆積状況

  1.6.第6報(17年 3月10日)

  1.5.第5報(17年 2月20日)

  1.4.第4報(17年 1月30日)

  1.3.第3報(16年12月30日)

  1.2.第2報(16年11月13日)

  1.1.第1報(16年10月24日)


 2004年10月




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