22年災害速報
1.南大隅町大浜の崩壊
場所:南大隅町大浜(N131゜11'19.1" E130゜46'17.1" )
崩壊の概要:2010年7月4日、標高約200mの台地の末端に崩壊が生じ、5日、7日にあいついで土石流が発生した。
土石流は約700m流下し、海岸沿いの集落にまで達したが、人的な被害はなかった。
場所は錦江湾に向った西向き斜面である。
崩壊のタイプ:地質は最上部に阿多溶結凝灰岩が分布している。
阿多溶結凝灰岩はこの地域を広く覆い、屋根形の特徴的な地形を造っている。
溶結凝灰岩の下位には阿多鳥浜火砕流堆積物が分布する。
このような、上位に硬い溶岩が分布し、この下位から崩壊するタイプは、北松型地すべり(長崎県)と酷似している。
崩壊の発生は、阿多溶結凝灰岩の下位にあるパイピングに誘発されたものと見られる。
調査は7月10日に行ったが、水量は少ないが、砂防ダムを流下する泥流が見られた。
崩壊物質:中流付近に設置されたダムにより、直径2〜3mの大礫は補足されていた。
ダムの下流部の緩傾斜地には、高含水の泥土が堆積し、堆積物上を歩くことはできなかった。
1−1.被災状況写真(2010年7月10日撮影)
写真−0.火砕流台地。
写真−1.遠景。
写真−2.近景。
写真−3.崩壊部,キャップロックは溶結凝灰岩。
写真−4.砂防ダムの巨岩。
写真−5.液状化している土石流堆積物。
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