28年災害速報

1.熊本地震

熊本地震

2016/04/14,2016/04/16

1−1.熊本地震(2016年4月30日〜7月3日撮影)


写真−21.竹林の崩壊

火山噴出物上に生育した竹林の崩壊例です。
斜面の竹林は「崩壊を防ぐ」という説もありますが、地震動に対してはあまり効果は無かったようです。
撮影日:2016/07/03


写真−20.シラスに似た堆積物の崩壊

阿蘇にはシラスに似た火山噴出物の堆積物が分布しています。
堆積物の粒径は砂から礫まであり、軽石は直径が10cm位のものも含有されています。
地表植生は竹で、土壌の厚さは約50cmです。
竹については竹林があると崩れないとか、竹は水をよく吸い上げるので地すべり地にはえるという迷信がありますが、
少なくとも地震には無力であったという実例です。


写真−19.断層トレンチのスケッチ

断層のトレンチをスケッチしながら気がついたのですが、
断層が水平ズレならば土層は水平方向の変異は無いはずなのですが、ここでは右と左で違っています。
左側には直径が1m近い巨礫がありますが、断層の右側には巨礫がありません。
右側は(トレンチの)下の方に直径が2〜5cmの礫層が見えます。
注:左は南側 右は北側


写真−18.断層によってずれたブロック塀

この塀は元々は黄線のように造られていたのですが、右横ずれによって左右部分が破壊されています。
断層によって破壊されている部分はプレキャストのL字型擁壁と思いますが、 こんなものを、いとも簡単に破壊する地震は恐ろしいです。


写真−17.竹林のタケノコ

震災を受けた家に隣接する竹林をみると、沢山のタケノコが折れているのを見かけました。
竹林は放置すると竹で一杯になり入れなくなるので、管理のためタケノコのうちに切ってしまいます。
タケノコが倒れているのを見たときは,管理のためかなと思いましたが、
林内のかなり奥まで折れていることから、地震動によって折れたことのに気がつきました。


写真−16.県道28号線の落石

西原村杉堂付近、県道28号への落石。
斜面は雑木林で、道路上から見た限りでは、石が元あった場所は確認できない。
落石は引き延ばされた黒曜石が見えることから阿蘇の溶結凝灰岩と思われる。


写真−15.道路の亀裂

この亀裂は水平ズレは認められず、開口しています。
断層の動きによる地表のズレは、右ズレや左ズレ、ズレがないものなどいろいろなものが見られます。


写真−14.コンクリート張りのズレ

ある民家のテラスに張られたコンクリートが移動した様子です。
厚さ10cm位のコンクリートが引き裂かれています。


写真−13.庭を横切る活断層

民家の庭に現れた活断層です。
白線が元々並べられていた庭石ですが、50cmほどズレています。
ここでは右ズレで向こう側(南側)が10cmほど上がっています。


写真−12.活断層

畑を横切る活断層で、約50cmの高低差ができています。
断層の走向は東北東で、北側が隆起しています。


写真−11.塀直下の断層

断層の直上にあった塀の被災。
塀は直径50cmから1m程度の円礫を組んだ基礎の上に、ブロックを積んだ構造であった。
塀の破壊は、内側から強力な力で突かれたような壊れ方である。


写真−10.農道を横切る断層

農道のセンターラインが少しずれている。道路面が一部白色化しているのは,
断層により路面が破壊されることにより、路面の下に敷かれた砕石が掘り返されたためである。


写真−9.歩道のズレと湧き水

歩道の縁石と白線がずれているところ見ていると、
右側の作業服を着た人から「この水はなんでしょう?」との質問を受けた。
この人は道路反対側で重機のレンタル会社をやっているとのことだが、
聞くところによれば、この歩道には水道管は通っていないとのことで、
また,水は2,3日前からで始めたとのことである。
地震に関連する水の話は沢山あるが、明確な因果関係を説明できる現象はあまり聞かない。


写真−8.高速道路の橋台と盛土部のズレ

写真右側部分が橋梁部で真ん中が橋台、左1/3が盛土部分。
コンクリートが10センチ程度ずれている。
両は通行しているので、ズレは補修されているとみられる。


写真−7.道路を横切る断層

断層は手前の縁石を壊し、道路の向こう側に延びている。
断層による亀裂はアスファルトによって修復されているが、
トラックなどの重量のある車両が通るとドンドンと響く。
後方の盛土は九州中央高速道路で、断層の延長はこの盛土に向かっていると見られる。


写真−6.道路を横切る活断層

機会があって熊本地震の調査に行ってきました。
日帰りですが、布田川断層が地表に出た場所を見てきたのでアップします。
道路の白線が約10cmずれ、手前の歩道と車道を別ける縁石が壊れている。
向こうに見えるのは、建設中の九州中央高速道路で、延岡につながります。


写真−5.船野山の全景

船野山の標高は307mで、熊本平野の南側にあるモコッとした山。
水系が入っていないので透水性の良い岩石でできていることが想定できる。
この山の山麓を北東方向に布田川断層が通っている。
山麓には良好な湧水があり、地震によって水道が破壊された住民の水源となっている。


写真−4.活断層(熊本地震調査)

麦畑に現れた活断層の痕跡です。断層の延長方向は,麦畑の中を横切っています。
場所:益城町堂園


写真−3.???

案内者から説明が無ければ見落としてしまいそうなモノでした。実は墓石です。
地震の後、倒伏した墓石の方向から地震動の方向を推定する研究がありますが、
この墓石からは花立てや水盆まで飛び散り、いかに振動が激しかったかを示しています。


写真−2.益城町の交番(熊本地震調査)

益城町の交番です。外見上は全く被害は無いようでした。
交番は頑丈に造ってあるんでしょうね。


写真−1.熊本地震調査

熊本在住の会員から、緊急調査の呼びかけがあり三名が参加しました。
地震のニュースは毎日テレビで報じられ、M7とか震度6とかいう数値で知っていましたが、
やはり現地に行きそのひどさを実感すると、言葉を失ってしまいます。
平和な日常を奪った一瞬の揺れ、大地は恵みと共に意地の悪いこともするのだということを実感しました。
写真は益城町の中



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