17年災害速報:鰐塚山の地すべり・土石流


1.はじめに


 平成17年9月5日から6日にわたり、九州南部地域は台風14号による豪雨に見舞 われた。
 これにより宮崎県の南郷村神門(みかど)では総雨量1300ミリに達し、県内は 各地で観測史上最大雨量を記録した。この時、宮崎市の南西に位置する鰐塚山で も1000ミリを越える降雨があった。
 この雨により、鰐塚山を源流とする別府田野川(びゆうたのがわ)で大規模な 土石流が発生した。別府田野川は清武川の支流で、流域面積13km2という小流 域であるが、源流の鰐塚山は標高1118mで、宮崎平野を一望できるため、山頂に はテレビ、通信関係の施設が集中しており、宮崎県にとっては通信関係の動脈と なっている重要な地点である。
 土石流は、東側支流(朝陣野西側斜面)、本流部、西側支流の3ヶ所に発生し た地すべりによって動き始めた土塊が、渓流中で土石流化したものと見られる。
 このうち、朝陣野西側斜面に発生した土石流は、全長2km、最大幅200m、浸 食深80m(いずれも推定)に達し、本流部の直前で直進し80mの小山を乗り越えて いる。
 この規模は日本では最大規模の一つに数えられるものと思われる。



地図−1.鰐塚山は宮崎市の南西約20Km



地図−2.別府田野川(びゅうたのがわ)流域と土石流の発生状況、
源流部は地すべりまたは崩壊


写真−1.全景(宮崎県土木部砂防課撮影)。

2.朝陣野(あさじんの)西側斜面土石流に行く。

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