四万十層の地質巡検
2005年 四万十層の地質巡検レポート
実施日:2005年1月23日
場所 :門川、遠見半島
ガイド:足立富男顧問
参加者:高谷、稲森、岡本、緒方、甲斐、高田、増田
天気予報では、午後から晴れることは伝えられていたが、
フロントガラスを激しく流れる雨には気が滅入った。
別働隊とは門川で合流し、第一見学ポイントである門川漁港に向かった。
現地(唐船バエ)では海側に降りて、四万十層(門川層群)に現れた現象を観察した。
まず砂岩に見られる黒色の点々、これは砂岩中に頁岩の岩片が取り込まれたもので、
まるでモチの中にゴマがはいったような感じである。名付けてパッチ状砂岩とのことである。
ここは多くの断層で切られていて視線を動かすたびに、岩相、層厚、傾斜が一変する。
層厚からいえば数十センチある砂岩があるかと思えば、すぐ隣には数センチの砂岩頁岩の互層になる。まじめに層序や構造を考えようとすると頭の中がパチパチ言いそうになるので、科学の基本である、「なぜ」は放棄して、疑問は持たずあるがままを受け入れることとした。
隣を見るとどうも周囲からせり上がったドーム状にみえる砂岩層がある。
これは背斜の一部とのことで、カルミネーション(Culmination)という。
教科書に書いてあるある背斜、向斜が二次元であって、
実際にはここのように広がりを持った構造なんだと言うことを実感した。
さらに歩くと砕けようとする波の一瞬を切り取ったような強く褶曲した砂岩層を見た。
防波堤を歩くと全体が俯瞰でき面白い。
しかし全体は、半日以上かけてみなければ実態がつかめないところである。
次の見学地は遠見半島の先端部で、道路から急な釣人道を降りた。
海に出ると礫岩があり、これは火山角礫岩で尾鈴の最初の火砕流とのことである。
凹凸の多い岩の上を歩いていると、
砂岩泥岩の互層のうち泥岩が波で浸食されて砂岩が脈状に残ったもので、珍しい景観である。
これは門川層とのことである。火砕流の熱に焼かれ、ここに露出した後は、
風化を受け灰色に変色している。
この日は海が荒れ大きなうねりが岩場に打ち寄せ、地響きのような音が聞こえていた。
岩場の窪みに打ち寄せる波が、飛沫の塊となって立ち昇っている勇壮な光景にしばし見とれていた。
第三ポイントは遠見半島の西側、門川漁港の対岸である。
遠見半島は全体が尾鈴の火砕流からできているが、西側の海岸部には礫岩や、
直径が数メーターもある頁岩があり、火砕流が門川層を取り込んだ時の様相が観察できた。
また基盤の四万十層、庵川礫岩、その上の火山角礫岩、
さらに溶結凝灰岩と尾鈴火山活動の一連の舞台が見られるよい場所である。
出発時は雨だったが、見学が始まる頃からはあがり、よい巡検日であった。
(文責:高谷精二)
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