2.天神山崩壊の謎にせまる−2





2,天神山崩壊の謎

       
  1.天神山で出会った落石

林道を走っていると前方に砂煙が見えたので、なんだろうと思いながら近づいてみると、見事な落石でした。
あと1分ほど早く走っていたら、と思ってゾッとしながらしばらくながめていました。
見事に道の真ん中に鎮座です(^-^)。岩種:砂岩   
   2.天神山崩壊地(三股町)

2005年の災害時に崩壊した天神山です。
写真上部中央付近に小さなピークがありますが、ここの標高は870mです。
写真中央に岩盤らしきものが見えますが、ここは頁岩の岩盤です。
写真手前の傾斜部分は断層で、この下部に断層があります。
この崩壊地は復旧工事が行われていないため、崩壊地が、時間の経過に伴ってどのように変化するかがよく観察できます。
写真撮影:2006/6/5
   3.天神山の断層

天神山の標高620m付近にある砂岩にかかる滝です。
滝の左側に見える砂岩は写真中央に向かって下がり、滝の右側に見える砂岩は中央に向かって下がっています。
崩壊発生直後には、ここに断層が現れていました。
その後断層は落石によって埋まってしまいましたが、写真中央にいる人の後ろに一部露頭があります。
   4.天神山崩壊地に見られた御池テフラ

天神山崩壊地の左岸に見られた御池(みいけ)テフラです。
テフラ層は、写真左側では2m位の深さにありますが、中央右より付近では地表に現れているのがわかります。
このことはこの付近で地すべりがあり、テフラ層が無くなったことが考えられます。
御池テフラは4300年前の噴火堆積物で、噴出物の粒径はこの辺りで1〜2cmくらいです。
色は特徴のある黄色なので、容易に識別できます。
撮影:2005/12/3
  5.天神山崩壊の源流部を一望

天神山崩壊地の源流部です。
写真中央付近の小さなピークは標高約870mです。
崩壊地の中にほぼ水平に黒い層が見えますが、これは未風化の頁岩層です。
赤褐色の部分は砂岩塊が崩れ落ちている部分で、現在も崩れが続いています。
撮影:2006/5   
6.天神山の断層

天神山の標高620m付近に見られた断層です。
写真中央付近に人が立っている露頭は砂岩ですが、崩壊直後には厚さ20〜30cmの礫混じりの粘土層が見られました。
粘土層は固結していましたが、その後の雨と流水によって剥離されてしましました。
この沢の走向は東西で、砂岩の傾斜は北落ち30度です。
撮影:2006/6/8   
   7.天神山の断層

天神山崩壊地標高620m付近に見られる断層です。
この断層の走向は沢を横切る方向で、粘土化した層の層厚は厚い所では30cm、薄い所は5cmくらいあります。
断層の傾斜は約50度、粘土に含有される粘土鉱物はイライトでした。
四万十層に生じた断層の粘土鉱物は、ほとんどイライトです。   
   8.天神山の断層粘土

天神山で見られた断層粘土です。
礫混じりで大きいものは直径5cm位あり、角礫でですが、小さいくなるほど亜円礫から円礫へと変化しています。
これは断層運動によって礫が削摩されるためでしょう。
粘土層は全体的に固結していました。
   9.土石流末端部の傾斜角

天神山(宮崎県:三股町)の崩壊によって出た土石流の末端部堆積地です。
ここの堆積物は大部分が砂岩塊で、傾斜は4度です。
堆積物の岩質によって傾斜が変化するようです。
撮影場所:天神山崩壊地、境川、左岸側支流
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